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飲食店の害虫対策はグリストラップの清掃と定期的な害虫駆除が重要

2023年4月21日

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飲食店は水や食料が多く、エアコンにより1年中適温が保たれている、ゴキブリやコバエなどの害虫にとって生息しやすい場所です。
お店で害虫を発生させないためには店内を清潔に保つ必要があります。

飲食店ではグリストラップの設置が義務付けられていますが、グリストラップは衛生面や害虫駆除の観点からも定期的な清掃が必要です。
ここでは、害虫駆除のためにグリストラップを清潔に保つための清掃頻度の目安や、店内の害虫駆除の頻度の目安をご紹介します。

グリストラップの設置に関する法律

グリストラップの設置に関する明確な基準は定められていませんが、設置は事実上定められています。

「下水道法」「水質汚濁防止法」「建築基準法」ではグリストラップの設置が定められています。

下水道法では排水基準を定めていて、基準を超過する場合は除外施設の設置を必要としています。

さらに、水質汚濁防止法では有害物質を排水する恐れのある事業所や工場は、特定施設の設置が必要としており、建築基準法では油脂やガソリンといった有害物質を排水する場合には、阻集器の設置が必要としています。

グリストラップの清掃を怠った場合に起こるリスク

清掃していないグリストラップは飲食店の配管詰まりや臭いの発生、ゴキブリやコバエが発生するリスクをはらんでいます。
まずはグリストラップを清掃していないと起こるリスクをご紹介します。

排水詰まり

グリストラップは第1層で排水に含まれる生ごみをバスケットで受け止め、第2層で水分と油脂を分離させ、第3層で油脂分の少ない水を下水に排水します。

汚泥は下に沈殿しますが、汚れを放置していると廃油とヘドロが溜まり、配管の詰まりの原因となります。

悪臭

グリストラップ内に汚れが溜まったり配管が詰まると悪臭の原因となります。
特に気温の高い夏場は臭いが強くなる傾向がありますので注意が必要です。

下水への油脂の流出

グリストラップで適切に油脂の分離が出来ていないと油脂を含んだ水が下水等へ排出され、河川の汚染につながってしまいます。

害虫の発生

生ごみや廃油、ヘドロが溜まるとゴキブリやコバエのような害虫の発生につながります。
廃油やヘドロが固化するとゴキブリの産卵箇所にもなりますのでゴキブリ発生リスクが高まります。

グリストラップの清掃の頻度

グリストラップは清潔に保つためには定期的な清掃が重要です。

1日に1回バスケットに溜まったゴミを捨て、2~3日に1回は浮いた油脂を回収します。
さらに1~3カ月に1回トラップ内部の清掃を行います。

トラップ内部の清掃は提供する料理や油の使用量、席数や回転頻度により異なります。
お店によっては頻繁に清掃する必要があります。
また、繁忙期は頻繁に清掃する必要があり、さらに夏場はこまめな清掃をすることで臭い対策になります。

グリストラップ周辺のゴキブリ・コバエ対処法

グリストラップやその周辺は定期的に清掃を行い、清潔にしておくことでゴキブリ・コバエなどの害虫対策を行うことができます。

定期的にグリストラップの清掃を行う

飲食店の厨房内でゴキブリやコバエなどの害虫を発生させないためには、対策が必要です。
特にグリストラップは食材や油脂などがせき止められる構造になっているため、定期的に清掃しないとこれらが溜まったままになってしまいます。

溜まった油脂などをそのまま放置しているとゴキブリやコバエが発生する恐れがあります。
グリストラップの清掃頻度は飲食店の業態や店舗の回転数により異なりますが、高い頻度で清掃することが大切です。

バスケット内のごみ捨てをしっかり行うこと、沈殿物や浮いた油の除去、排水トラップ内の掃除を行うことが大切です。
営業終了後に清掃を徹底的に行うことで、ゴキブリやコバエのような害虫の発生を抑制することができます。

店内の定期的な害虫駆除と併せて清掃を徹底することが大切です。

グリストラップの汚泥・廃油は産業廃棄物として処理する

「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」では、グリストラップの汚泥を産業廃棄物として処理するように定めています。

一般廃棄物として処理してしまうと罰則の対象となります。

したがって、グリストラップから排出される産業廃棄物は、適切に処理できる業者を手配する必要があります。

飲食店に求められる害虫駆除の頻度

ねずみ・害虫等の防除については建築物衛生法をはじめとしていくつかの法律で定めています。
防除の頻度としては以下のように定められています。

ねずみ・害虫等の防除の頻度

ねずみや昆虫の発生と侵入防止、害虫駆除については次のように行うことが定められています。

・6カ月以内ごとに1回、定期的に調査を実施し、調査の結果に基づき、ねずみ等の発生を防止するために必要な措置を講ずる
・害虫駆除に使用するための薬剤は薬事法の規定による承認を受けた医薬品または医薬部外品を用いる

また、「空気調和設備等の維持管理及び清掃等に係る技術上の基準」では、

食料を取り扱う区域、排水層、阻集器などの周辺等、特にねずみ・昆虫が発生しやすい箇所については、2カ月以内ごとに1回、その生息状況等を調査し、必要に応じて発生防止のための措置を講ずることなどが定められています。

定期的な害虫駆除と併せて行う

害虫対策は定期的なグリストラップの清掃と薬剤などによる害虫駆除を併せて行うことが大切です。

法令に基づいた頻度はもちろんのこと、お店の周辺環境に合わせた害虫駆除を行い、害虫の侵入や発生、店内での繁殖を未然に防ぎます。

また、害虫駆除は季節に合わせて行うこともポイントとなります。
例えばゴキブリの場合、春から夏にかけて増えやすいため、侵入経路を塞ぐといった対策が必要ですし、コバエについても春から夏にかけて増えやすいため、こまめな清掃や食品、生ごみの管理に気を付ける必要があります。

専門業者と協力して害虫対策をする

害虫対策のためのグリストラップの清掃や害虫駆除について解説しました。

害虫駆除は定期的に行うことで効果を発揮しますが、お店のスタッフだけで対応するのは難しい場合もあります。

効果的に害虫駆除を行いたい場合は、排水周りのこまめな清掃と並行して、害虫駆除の専門業者に依頼して対策を行うと良いでしょう。

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